2週間の間に映画「がんばっていきまっしょい」を3回見た。1回目と2回目は連日で、4回目を見に行こうかと悩んでいる最中だ。
見に行っていない人がいるのなら今すぐ劇場へ行って見て欲しい。そう言いたいくらいに「がんばっていきまっしょい」は素晴らしい映画だと感じたし、何よりも他の人にも見てもらいたいと強く思った映画だった。
「がんばっていきまっしょい」は松山を舞台に5人の女子高校生たちがボート部の部活に打ち込む姿を描いたCGアニメ映画だ。原作として小説があり、1998年には実写映画化され、2005年にはドラマ化もされている。
あらすじや詳細なキャラクター紹介は公式サイトに任せよう。とにかく「がんばっていきまっしょい」が本当に素晴らしい映画だと思ったから布教記事を書いている。
先に言っておくが映画「がんばっていきまっしょい」は完璧な映画ではない。ここをもう少しこうしてほしかったという部分はいくらでも言える。日常パートが多めな構成となっていて、女子高校生にボート部ということでスポ根路線を期待して見ると「あれ?」と思うだろう。そういう意味では人を選びやすい映画だということは間違いないと思う。
「がんばっていきまっしょい」の本題は、頑張ることを諦めてしまった主人公がボート部を通じて変わっていく姿と、5人が過ごす高校生活そのものにあるのではないだろうか。スクリーンの中の彼女たちは、ひたすらに真っ直ぐで、等身大で、透き通っていて、リアルなのだ。部活に打ち込み、ボートを通じて合宿やBBQを楽しみ、花火大会にも行く。爽やか過ぎるほどに等身大の高校生が送る青春が描かれていて、その一つ一つが心に刻まれて、心を震わせてくる。
全くもって感動で涙が出るタイプの映画ではないことは確かなのに、心に何かが残り、心は動かされる。なんとも不思議な映画だなと思っていたら、パンフレット内のキャッチコピーや掲載された監督のインタビューにも似たようなことが書かれていた。櫻木監督、あなたの目的は達成されましたよ。
「がんばっていきまっしょい」を見た後に気になった部分が必ず出てくるだろう。それは制作側ができなかった部分ではなく、あえてそうしなかった部分なのだ。95分という上映時間に詰め込むために、無駄を削ぎ落としながらも足りなくなることが無いように構成されていて、テンポとリズムが良いから何度見ても飽きない。
先に書いたように完璧な映画ではない。この記事を書いている間でも「ここはこうしてほしかったな」と思うところは出てくる。
それを差し引いても「がんばっていきまっしょい」が素晴らしい映画であることは揺るぎないし、また心を震わせてほしくて4回目を見に行こうかと悩んでいる。この記事を読んだあなたも「がんばっていきまっしょい」を見に行ってみませんか? 人生の95分を使う価値はあると思いますよ。