先日、1年半使ったROG Phone 2をレビューしました。
今回はROG Phone 2から2世代後の最新ゲーミングスマホ(2021年8月時点)になるROG Phone 5でミリシタ周年イベランをしましたので、ミリシタのイベランでROG Phone 5はどうだったのかをメインにレビューしていきます。
開封
ROG Phone 2と比べると普通の箱になりました。ROG2は保管しておくのに面倒な形だったのでこっちのほうが好みです。
付属品の箱と本体が入っています。
お馴染みのROG Phone純正バンパーケース。気持ちROG2よりもROG5のほうが防御力が上がっている気がします。
スマホの下にはケーブルと充電器が入っています。充電器は65W充電可能なROG 65W ADAPTERが入っています。ASUS Storeで売っているものと同じなので別に充電器を買う必要はありません。
SIM外しがちょっと変わった形になっています。力が入れにくくて使いにくい……
こちらが本体です。サイズ感はROG Phone 2とほぼ変わりません。
ミリシタの快適度
さて本題です。ゲーミングスマホなので実際にゲームをしてどうなのかが一番大事ですよね。
僕がメインでやっているソシャゲはミリシタなので、ミリシタをプレイしてどうなのかが一番大事です。ROG Phone 5を買ったのは4周年イベントの1ヵ月前という大事な時期。ミリシタのイベランに使えるかどうかを見極めてから周年イベに挑もうと10万越えのゲーミングスマホをさらっと買っておきながら届いてから慎重になるという謎なことをしています。
で、実際にミリシタをプレイしてどうなのかというとめっちゃ快適です。ROG Phone 2でも十分快適でしたがROG Phone 5は一回り快適度が上がりました。カタログスペックでもSoCがスナドラ888になったり、タッチサンプリングレートが1.5倍くらいになったり、ストレージがUFS3.1になったりしているので快適になっていなかったらおかしいんですけど、スペック上がっても快適さはあまり変わっていないなんてことはありません。
ミリシタの快適度を10段階で0=プレイ自体が不可能から10=全くストレスなく継続して長時間プレイできるとして表すと、過去にミリシタをプレイしたことがあるスマホはこうなります。
- LG Nexus5X = 3
- 2D or 3D低画質ならプレイ可能だけど処理落ちが多い
- 長時間のプレイは難しい
- イベランには不向き
- Huawei P20 = 6
- 3D高画質でもプレイは可能
- 長時間のプレイは難しい
- Samusung Galaxy S9+ = 4
- 3D高画質である程度快適にプレイ可能
- 一定時間プレイするとタップ抜けが多発する
- 長時間のプレイは難しい
- ASUS ROG Phone 2 = 9
- ほぼほぼ快適にプレイが可能
ではROG Phone 5はどうなのかというと、10です。いやマジで10です。
タッチの反応が遅れるなんてことは皆無、継続して長時間プレイしても8時間くらいはバッテリー大丈夫です。後述しますがバッテリーが減ってきてもさらに続けてプレイもできます。そして何よりも安定性が高いことがいいですね。長時間プレイしてスマホが少々熱くなっても問題なく快適にプレイし続けられます。
ROG Phone 2と同じくArmoury Crateでどこまで性能を出すかどうかを設定できます。細かくも調節できますが、おおまかにLv1~3で設定することもできます。ミリシタくらいの負荷であればLv1で十分快適にプレイできます。
イベラン性能(主に周年イベ)
さて肝心のイベラン性能です。デイリーミッション消化+αくらいならHuawei P20やGalaxy S9+でも十分ですがイベランとなると話は別です。通常のイベントで約1週間、周年イベントでは約2週間を戦い抜く必要があり、いかに長時間のプレイを安定して行えるかが重要になります。
継続して性能を維持できるか
実際に4周年イベントで千早で225位、歌織さんで410位まで走り、イベント楽曲クリア回数は616回を超えています。1日あたり数時間走りましたが性能の低下は一切感じませんでした。
ROG Phone 5でのイベランはバッテリー残量低下や発熱による性能低下がほぼないため長時間のイベランでも端末が原因のストレスはありません。バッテリー残量が10%になっても全くストレスなくプレイでき、フルコンやAPもできます。
バッテリー
性能が低下しなかったとしてもバッテリーの消耗が速かったら意味がありません。
フル充電からミリシタ周年イベを走り続けたとして2Dライブであれば最大6~7時間ほど走ることができます。全てオートライブを前提とすれば画面輝度を下げるなどでさらに伸ばすことは可能です。最大65Wの急速充電に対応しているため15%から約1時間ほどで90%まで充電可能です。ROG Phone 5は充電中にプレイしてもあまり性能低下がありませんが、発熱が大きいため端末の保護などを考えるとあまりやりたくはありません。そんな時に便利なのがバイパス充電機能です。
ゲーム中に画面左端からスワイプすると出てくるメニューからバイパス充電に切り替えることができます。バイパス充電はバッテリーに充電するのではなくROG Phone 5に直接電力を供給する機能です。通常充電よりも発熱を気持ち抑えることができ、バッテリーを使用しないためバッテリーの負担を減らすことができます。イベラン中はめっちゃお世話になりました。この機能があるためROG Phone 5は無限にイベランを続けることができます(体力が続く限り)
ストレステストで検証
3DMarkのWILDLIFE EXTREME STRESS TESTを使用してどのくらい性能を維持できるのか、画面輝度を100%で固定しArmouryCrateの設定を変えて複数のパターンで検証しました。
主に下記の項目をそれぞれ変更して検証しています。
- ゲームチューニングのレベル
- CPU、GPU、ストレージ、メモリの性能をどれくらい引き出すかどうかを設定します
- Lv1とLv2を使用、Lv3はAeroActive Cooler 5を装着しないと故障の恐れがあるため使用しない
- Xモード
- XモードをONにすると、よりゲームに適した性能を引き出せるようになり、バックグラウンドのメモリが解放されます
- ONとOFFで測定、OFFの場合は通常のモードとなるダイナミックモードを選択
- 画質
- アンチエイリアシングやテクスチャフィルタなど、画質に関わる項目を設定することができます
- プリセットとして用意されている高品質とスマートを使用します
docs.google.com
検証結果はスプレッドシートでも公開しています。
ゲームチューニングとXモードの関係
Lv1とLv2ではXモードがOFFになっている場合の性能低下が違うことがわかります。
Lv1でXモードOFFの場合はスコアが6割弱まで低下したのに対し、Lv2ならスコアは7割弱まで維持されています。しかしXモードONのスコアに対しては2割強の差がついているため性能低下をできる限り防ぎたいならXモードはONのほうが良いということになります。
バッテリーの消費や温度を見てみるとゲームチューニングよりもXモードが支配的になっていることがわかります。あくまでもゲームチューニングは温度やバッテリー消費に関わらず性能の上限を決めるものなのに対して、Xモードとダイナミックモードはどこまでの温度上昇やバッテリー消費を許容するかを決めるものということがわかります。
温度やバッテリー消費を気にしないならXモードON、温度の上昇やバッテリー消費を抑えたいならXモードOFFが安牌ですね。ゲームチューニングはプレイするゲームによって処理落ちが気にならない範囲で決めればいいと思います。
ミリシタではXモードOFFでゲームチューニングLv1でも十分でした。少しだけ処理落ちするときがありますが、気になるようならゲームチューニングを上げて様子を見て、それでも気になるようならXモードをONにするという順番でいいと思います。ミリシタはストレステストと違って常に負荷がかかり続けるわけではありませんからXモードはOFFでも特に支障はないと思っています。
普通のスマホと比べるとROG Phone 5はとても熱いスマホですが、ASUSが何も考えずに作っているわけではないのでゲームチューニングLv2にXモードONまでなら熱で壊れることはそうそうないんじゃないかなと思っています。筐体が熱くなるのは内部の熱を外に逃がすためにしっかりと熱を伝える設計がされている証拠です。ただ、スマホ内部のセンサーで45℃となっている時の筐体はなかなかの熱さです。機械が大丈夫でも人間の手で長時間触るには熱すぎると思いますので、先に書いたように遊んでいるゲームが要求するスペックとの相談になるでしょう。
なお、ゲームチューニングLv3を選択すると警告が表示されます。
ゲームチューニングLv1とLv2のどちらでもXモードON/OFFが支配的でしたが、Lv3にするとXモードOFFでも温度制限をさらに上げられるということなんでしょうか。手元にAeroActive Cooler 5が無いため検証できないんですが(これ以上スマホに熱くなられるとさすがに怖い)気になりますね。
ストレステストの性能変化グラフ
グラフで見てもXモードがOFFの場合は性能低下が顕著だとわかります。
ゲームをやるうえでの注意点
カメラが出っ張っている
主にミリシタを置きプレイする場合に問題になるのですが、カメラが出っ張っているため置きプレイのために横に置いた際に左上部または右下部が浮きます。純正バンパーケースでも僅かな出っ張りがあるため浮きます。厚めの滑り止めシートを使用すればあまり気にならなくなります。
僕はこの滑り止めシートを使っています。大きさがROG Phone 5とほぼ同じなのでちょうどよく厚みも十分です。
ゲームに関係ない性能
ここからはゲームに関係ない性能についてのレビューになります。
デザイン
ゲーミングらしいかっこいいデザインです。背面にはちゃんとROGロゴが光る機能がついています。
携帯性
まず重量が239gなのでポケットに入れるのはお勧めできません。大きさも長辺が173mmという圧巻のサイズなので携帯性に期待してはいけません。
ROG Phone 2のインタビューで重さについて聞かれたASUSの人が「ゲーム機として考えれば普通」と言っていました。そういうことです。
レスポンス
Snapdragon 888に12GBメモリ、リフレッシュレート最大144Hz、タッチサンプリングレート360Hzはレスポンスに一切の不満を感じさせません。15万円を超えるハイエンドスマホでも敵わないと思います。
画面表示
ROG Phone 2と比べるとかなり綺麗だと感じます。ROG Phone 5はより表示がはっきりしていて鮮やかです。
音質
スピーカーの音はROG Phone 2と比べても進化したと感じます。具体的には音の奥行きがはっきりした印象で、ワンランク上のスピーカーに買い替えた感があります。Bluetoothスピーカーの購入を考えているなら少し考えたほうが良さそうです。
ROG Phone 2と違ってDTSが面倒になりました。強制的にONになっているため何らかの効果を選ばないといけません。動的を選ぶとプレイ中に突然音が変わってしまうため、とりあえず音楽を選んでいます。
そのままではAndroidのSRC回避をできないためビットパーフェクト再生ができません。ROG Phone 2と同様にAeroActive Cooler 5を装着し、クーラーのイヤホンジャックを使用すればビットパーフェクトになるかもしれませんが未検証です。
カメラ
6400万画素のセンサーが採用されているのでそれなりに画質は良いです。ただASUSのスマホらしくソフト面があまりよくないので他者のスマホと比べるとカメラは一歩劣ります。
ROG Phone 2と比べて少しコントラストが強いような気がします。色温度が高くなりがちなのは同じです。
総評
まずミリシタで周年イベントを走ることができるかというところですが、ROG Phone 5は十分走り切れる性能です。ミリシタをメインでプレイするなら安心して買ってください。
普通のハイエンドスマホとして購入を考えているなら他を考えてもいいかもしれません。カメラは特に求めていない、重たくて大きくても構わないなら買っても問題ないと思います。