Abusan’s Journey

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フジノンレンズ XF35mmF1.4 R レビュー「10年経っても色あせない夢」

おはこんばんちは。いつもはオーディオ系のレビューを書いているあぶさんですが、今回は僕のカメラ&写真趣味を共に歩んできているレンズをレビュー(紹介?)したいと思います。

そのレンズとはフジノンレンズ XF35mmF1.4 Rのことです。

フジノンレンズ XF35mmF1.4 R

カメラ趣味の始まりとなったのはFUJIFILMのFinePix S9900Wですが、画質に不満が出てきた結果としてX-T30を購入しました。そしてX-T30と同時購入したレンズがフジノンレンズ XF35mmF1.4 Rです。
2020年04月27日に購入しましたのでもうそろそろ3年が経ちます。今年の1月末にマクロレンズを1本購入しましたが、それまではこのXF35mmだけでした。このブログのレビューで使用している写真もMoondrop AriaからKBEAR 朱雀まではXF35mmで撮影しています(Yanyin Moonlight以降は1月に購入したマクロレンズで撮影しています)
この記事で使用している写真の撮影でX-T30による撮影枚数は31,660枚に達し、そのうちXF35mmで撮影した枚数は30,000枚を超えています。

1本目のレンズは明るい単焦点にしようと決めていました。汎用的に使えるXF23mm f1.4や心の標準と呼びたい換算28mmとなるXF18mm f1.4も魅力的ですが、1本目にせっかく単焦点を選ぶのならということで標準域に近いXF35mmを選びました。結果として2年と9ヶ月をこのレンズとともに過ごすことになりました。

f/1.4, SS 1/1000, ISO 160

10年以上前のレンズですのでX-T5の4000万画素なんぞに対応できるような性能は持ち合わせていません。
フジノンレンズの35mm近辺を見てみると、4000万画素に対応できる解像性能と高速で正確なAF性能を持つ最新のXF33mm f1.4、f2.0で価格を抑えコンパクトになったXF35mm f2.0、そして最短撮影距離10cmを実現しながらAFも高速で遠景も申し分ないXF30mm f2.8マクロがあります。
私が購入したときは33mmも30mmもありませんでしたが、XF35mmはガコッガコッと動くやや遅めなAF(と言ってもX-T30との組み合わせならAF-Cでも十分使える)に今となっては隅々までシャープとは言い難い解像性能など、スペックだけを見ると今更XF35mm f1.4を買う理由は無いように思えます。

f/2.8, SS 1/40, ISO 160

XF35mm f1.4はスペックで劣っていますが、レンズが持つ夢は色褪せず、新しいレンズが出たことによってXF35mm f1.4の世界は更に深まった用に思えます。
実店舗やレンタルサービスでXF33mmやXF30mmマクロを試すと「いいレンズだ」とすぐにわかります。でもその後にXF35mm f1.4を使うと、これもまた「いいレンズ」だと思えるんですよね。
シャープさではXF33mmには及びませんが、XF35mm f1.4はボケと光の調和があるような写りをします。その甘すぎないけれどシャープ過ぎることもない写りがXF35mm f1.4の魅力だと思います。

f/3.2, SS 1/2700, ISO 160
f/2.8, SS 1/4000, ISO 4000

写真はスペックで撮るものではありませんが、スペックが低くくても良いということではありません。大事なのはそこに夢があるかどうか、夢を見せてくれるスペックであるかどうかでしょう。
そして1つのレンズで叶えられる夢は1つだけです。Xシリーズとともに登場しXシリーズとともに歩んできたXF35mm f1.4 Rの夢はXF33mmやXF30mmマクロが出た今となっても色褪せず、シャッターを切るたびに夢を魅せてくれるでしょう。

f/2.8, SS 1/250, ISO 160

換算50mmよりも僅かに望遠寄りの換算53mmの画角、f2.0よりも多くの光を取り入れられるf1.4という開放f値のおかげなのか、ふわっとした雰囲気の良さとシャープさのいいとこ取りをしたような写りをします。
XF30mmマクロみたいに寄ることはできず大きく写すこともできませんが、XF35mm f1.4の最短撮影距離28cmという数字は被写体との距離感をちょうど良いと感じさせ、最大撮影倍率0.17倍という数字は被写体をちょうどいい大きさで写してくれます。
マクロレンズを使った後だと、ついつい寄りすぎてしまうことが多くカメラから「AF合わないよー」と言われます。「ああそうだった、寄れないんだった」と被写体との距離感を修正して何枚か撮ると、得も言われぬ心地よさを感じます。
もちろんパンフォーカスで絞っても素晴らしい描写です。隅々までくっきりとした写りではありませんが、そこには確かな良さがあります。

f/8.0, SS 1/400, ISO 160
f/8.0, SS 1/500, ISO 160

物撮りはマクロの主戦場です。先に書いたようにXF35mm f1.4は28cmまで寄ることができますが、最大撮影倍率は0.17倍ですのでマクロとは呼べません。
XF35mm f1.4での物撮りはf1.4という開放f値と、嫌味のないキレイなボケが効きます。他のレンズにはない夢を魅せてくれる瞬間です。

f/1.4, SS 1/9000, ISO 160
f/3.2, SS 1/1000, ISO 160

2月は新しく購入したマクロレンズの使用頻度がほぼ9割でしたが、それは新しく購入したからであってXF35mm f1.4が劣っているわけではありません。
f2.0と比べるても十分にコンパクトで、カメラバッグの中に入れても邪魔になりません。荷物が制限されるような旅行でも活躍するでしょう。
X-T30などの二桁機やX-Proシリーズに装着した際にちょうどよいサイズ感になるように考えて設計されたのでしょうか。

X-T30に装着したXF35mm f1.4 R

富士のXシリーズを購入する際にレンズで悩んでいるなら、XF35mm f1.4 Rは1本目に強くおすすめしたいレンズです。
特にレンズ交換式カメラを今から始めるという初心者・入門者(そんな人がXシリーズを選ぶのかという問題は置いておくとして)にこそ使って欲しいレンズです。手を出しやすい価格ですし、マップカメラの買取価格も新品の6割程度を維持しています。
あなたの写真趣味において良き相棒となることは間違いないでしょう。

f/1.4, SS 1/680, ISO 160

f/8.0, SS 1/35, ISO 200

f/4.0, SS 1/1400, ISO 160

f/4.0, SS 1/70, ISO 160