Abusan’s Journey

Photography, Drive, Journey, Camera, Audio, IM@S by abusan3225(あぶさん)

ポタフェス2023秋葉原 イベント試聴 雑感

ポタフェス2023秋葉原というイベントに行ってきました。ポータブルオーディオを主体としたオーディオイベントです。
この記事はイベントで試聴したイヤホンやヘッドホンなどの雑感を書いておく記事です。
せめて月が変わる前に書こうと思っていたのですが、気がついたら8月に入っていました。

有線イヤホン & TWS

See Audio Neko(6BA)

See Audioの6BA試作機です。今回からNekoという名前がつけられました。
色違いで2つのバリエーション(Blue, Orange & Black)がありますが、それぞれでチューニングが違うため音の傾向も違います。
Blueは全体のバランスを重視した聞きやすいサウンドでアコースティックな印象です。Orange & Blackは個々の音のディティールや解像度に振った印象でした。
どちらも試作機だからなのかサブベースが殆ど出ておらずEDMなどを聞くのは厳しいと感じました。逆にポップスやロック、アニソンなどとの相性は良いと感じます。
ヘッドホン祭りに出ていたときから価格が100ドル上がっちゃいましたね。ちょっと割高感が出てしまったので残念です。

ANIMA ANW02

当ブログでもレビューしているANIMA ANW01の後継機です。
ANW01はかなり個性の強い傾向がありましたが、ANW02はバランスの良い自然なサウンドを鳴らします。
外観は01のほうが万人受けするタイプでしたが、音質は02のほうが万人受けすると思います。どんなジャンルでも合わせていけるイヤホンです。
ただ、音質が良いとは言えBTコーデックはaptX系の対応にとどまっている点が非常に惜しい。3万円オーバーのハイエンド機でありながらLDAC非対応はナシですね。
LE Audioやマルチポイント対応などで機能面は強化されていますが、アクティブノイズキャンセリングは非対応です。ハイエンドな価格でありながら機能面は片手落ち感があります。

Elysian Acoustics Labs ANNIHILATOR

Elysian Acoustics Labsはマレーシアのイヤホンブランドです。国内での正規販売はされていませんが、EFFECT AUDIOとのコラボとしてGAEAというイヤホンがeイヤホンにて販売されたことがあります。
ANNIHILATORはElysianのフラッグシップモデルで、価格は脅威の3000ドルです。300ドルではありません。3000ドルです。
バランスの良さを突き詰めた自然なサウンドですが、個々の音のレベルが3000ドルという価格に恥じない超高音質です。鳴らされる音のどこにも非の打ち所がなく「完全無欠」という言葉が似合うイヤホンがあるとしたら、その一つはANNIHILATORでしょう。
高音から低音まで過不足無く鳴らし、高い解像度がありながら楽曲全体としてのまとまり感もあり、極めて自然なサウンドでありながら音楽の世界へ没入することができます。

Elysian Acoustics Labs DIVA 2023

Elysianのもう一つのイヤホンです。こちらはANNIHILATORよりもお求めやすい1599ドル、日本円にして約22万円という価格となっています。
DIVA、つまり歌姫という名前を与えられ、カラーバリエーションは赤、黒、蒼の3種類です。スイッチによる切替で低音から中低音までのチューニングを変えることができます。
ANNIHILATORと同様にバランスの良い自然なサウンドかと思いきや、歌姫という名に相応しく女性ボーカルに特化したW字のバランスを持っています。
ボーカル域、特に中高音の艶、伸び、広がり、響きが非常に素晴らしく、生声をそのまま聞いているかのような生々しさと実在感があります。
DIVAの試聴には普段使用している試聴用プレイリストの他に如月千早のソロ曲を使用しました。ハイレゾ版の細氷を聞くならベストなイヤホンです。

ヘッドホン

ヘッドホンはAustrian Audioの4機種(Hi-X65, Hi-X60, Hi-X55, Hi-X50(を試聴しました。
この4つのヘッドホンは全てプロフェッショナル用途のモニターヘッドホンとして設計されており、同じ44mm Hi-Xドライバーを採用しています。 50以外は全てオーバーイヤータイプです。イヤーパッドは深さの有るタイプが採用され、装着した際に耳がハウジングに当たらないように配慮されています。

Austrian Audio Hi-X65

フラッグシップモデルの開放型ヘッドホンです。
高音から低音までフラットなバランスに、開放型ならではの抜けの良い音を鳴らします。
音のディティールをはっきりと描写する傾向があり、音楽を聞くというよりも音を見るためのヘッドホンです。

Austrian Audio Hi-X60

フラッグシップの密閉型ヘッドホンです。密閉型であること以外はHi-X65と同様の構成です。
開放型の65と比べるとダイレクトに音が届く印象があり、65よりも音のディティールが見えやすいと感じました。
より音楽に没頭したい、やや激しめに聞きたいという時は60のほうが良いかもしれません。

Austrian Audio Hi-X55

こちらも60,65と同じドライバーです。同じドライバーで密閉型なら60と何が違うのかと言うと、こちらは中高音に特化した帯域バランスを持っているため低音は非常に控えめになっています。
60,65よりも音楽制作やレコーディングに特化したモニターヘッドホンという印象です。一般の方がリスニング用途に買うものではないと思います。

Austrian Audio Hi-X50

Austrian Audioで唯一のオンイヤータイプです。耳を覆うのではなく耳に載せるような形で使用します。
他の同じドライバーを採用したヘッドホンたちとは音質傾向が全く違いました。65, 60, 55が個々の音のディティールを重視しているのに対して、50は楽曲全体のバランスや空気感を重視したチューニングがされています。
一つの楽曲、一つのアルバムでバランスを整えるマスタリング用途を想定した音質かと思います。

試聴したものは以上となります。なんというか趣味が全力で出ている選択でしたね。
特にElysianのDIVAが欲しくなりましたが、購入後のサポートなどを考えると国内での正規販売を待ちたいと思います。