Abusan’s Journey

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SteelSeries Tusq レビュー「ゲーミング"にも"使える良音質ヘッドセット」

今回は久々にゲーミング製品のレビューになります。

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SteelSeries Tusqという1年位前に発売されたカナル型イヤホンタイプのゲーミングヘッドセットです。ゲーミングイヤホンというジャンルの製品にはなりますが、脱着可能なブームマイクがあるためマイクの音質にも期待できる製品です。希望小売価格では6000円弱ですが、現在の実売価格は4500円前後と手に入れやすい価格も魅力なゲーミングヘッドセットです。
ゲーム用として同じSteelSeriesブランドの有線ヘッドセットでは最上級機種となるArctis Proとの違いや、これまた同じSteelSeriesのゲーミングDACに接続した際の違いなどが気になるところです。

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意外としっかりとした長さがあるマイクが付いています。方向もある程度は自由に変えることができるため口元に近づけることは容易です。
ケーブルは細くて取り回しの良い印象。左耳側のケーブルにはミュートと操作ボタンが付いています。この操作ボタンにはマイクも内蔵されていて、ブームマイクが無くてもヘッドセットとしての機能を失わないようになっています。

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SMLの3サイズ(Mサイズはイヤホン本体に装着)が用意されたイヤーピースと柔らかい布製のポーチが付属します。

私は今のところSteelSeriesのゲーミングヘッドセットとしてArctis Pro + GameDACを使用しています。2022年2月現在で実売4100円というSteelSeriesのゲーミングヘッドセットの中で最も安価なTusqはゲーミングとして使えるのかどうかをきっちりレビューしていこうと思います。

レビュー

良い点

  • ゲーミングで方向を把握しやすいしっかりとした定位
  • 個々の音を判別しやすい高い解像度
  • Arctis Proに迫るマイク音質
  • ストレスになりにくい装着感

悪い点

  • ややV字傾向が強く、ゲーム中の激しい場面では音が混ざりがちになる
  • ゲーミングヘッドセットの主戦場となるFPSには不向きなバランス
  • 刺さり気味な高音
  • GameDACとの組み合わせで低音が強くなりすぎる

音質

ゲーミング

Tusqの音質はやや強いV字傾向なドンシャリ気味ですが高い解像度や分離感の良さで見通しが良いサウンドです。正直なところゲーミングとして使うにはV字傾向が強すぎます。特にFPSなどでは激しい戦闘シーンなどでは高音の刺さりと相まって他の音が掻き消されてしまいます。手持ちのGameDACと組み合わせて使用しましたが、全体のバランスが低音寄りのドンシャリ気味なってしまうことで肝心のゲーミング性能が殺されていると感じました。定位はしっかりと把握できるためFPSなどで敵プレイヤーの足音を把握するなどのゲーミングとして大事な性能はしっかりしていますが、可能であればイコライザーで調整ができるゲーミングDACがある環境で使用するほうが良いでしょう。

音楽鑑賞

FiiO M11 Plus LTDでは低音寄りのバランスがやや弱いV字傾向へと変化し、ゲーミングヘッドセットならではの高い解像度と定位のおかげで一定の見通しの良さも感じる音質になっているためオーディオ鑑賞用としてはお値段以上の音質を得ることができます。駆動力がある環境ではキレと締まりがある豊かな低音が楽しめるためEDMなどを聞く際は頼もしく感じます。その反面、高音域はややストイックすぎる印象で刺さりもあります。AcoustuneのAET08やFinalのEタイプなどの高音を抑えるタイプのイヤーピースで抑えられますが、高音は値段相応だなという印象です。

装着感

耳掛けできるタイプですがイヤホン本体の全てが耳にすっぽり収まるタイプではありません。一般的な耳掛けタイプのカナル型イヤホンよりも少し良いくらいといったところです。
先に書いたように高音の刺さりが強めなので、装着感の向上とも合わせてイヤーピースを選ぶといいでしょう。

マイク性能

頻繁にボイスチャットをするフレンドに確認してみましたが、悪い音質とは思わないとのことでした。小さいマイクながらゲーミングとして十分な性能があるようです。

Arctis Proと比べて

Arctis Proと比べるとTusqのほうが低音が強いと感じました。Arctis Proのほうがフラット寄りです。ヘッドホンとイヤホンという違いや、希望小売価格で比べても価格差が1万円以上するので単純に比較はできませんが、単純に音質を比べるとTusqは価格差をある程度埋める性能を持っていると感じました。音場や響きはArctis Proが圧倒していますが、個々の音の質ではTusqはかなり優秀ですね。
装着感はTusqの圧勝です。Arctis Proの装着感は側圧が強く長時間の使用は難しいものです。Tusqは通常のカナル型イヤホンと全く変わらない良い装着感があります。
マイク音質はArctis Proとの差は明確にありますが、Tusqもゲームでのボイスチャットで問題になるような悪い音質ではなく十分使える性能をしています。

総評「ゲーミング"にも"使える良音質ヘッドセット」

約4500円という価格を考えればTusqの性能は価格以上だと言えます。解像度が高く定位がしっかりした音質に、ゲームでのボイスチャット用として十分なマイク音質を約4500円で購入できます。装着感も軽くて長時間使用しても苦になりません。
ただ、もう少しフラットな音質のほうがFPSなどのジャンルには合っていると思います。レースゲームやRPGなど、ある程度迫力がある音のほうが没入感が高まる場合もありますが、ゲーミングヘッドセットというジャンルではやっぱりFPSが重視されますのでミスマッチだなと思いました。ROG CETRAもそうでしたが、この価格帯のゲーミングイヤホンはやたらと低音重視な製品が多いので、フラットに仕上げたTusq2に期待したいですね。イヤホンならではの装着感やマイク性能は本当に良いと思いますので、このシリーズをこのまま終わらせるのはもったいないと思います。
音質そのものはとても良いため、テレワークなどでヘッドセットをよく使うという人にもおすすめです。ヘッドホンタイプのヘッドセットと違って見た目もスッキリして目立ちませんし、マイクを取り外せば普通のイヤホンとしても使うことができます。
ヘッドセットとしては90点ですが、ゲーミングとしては65点といったところでしょうか。個人的にはおすすめなヘッドセットですが、ゲーミングで使う場合はプレイするゲームのジャンルを考えてから選びましょう。